毎週見逃せない!気弱でお人好し、一橋桐子の終活奮戦記!!
できる限りタイムリーな話題を取り上げたいので、今月は毎週土曜日の夜10時からNHK総合テレビで放送されている、松坂慶子さん主演のコミカルで心温まるドラマ「一橋桐子(ひとつばし きりこ)の犯罪日記」を取り上げたいと思います。
70代の主人公・一橋桐子は生活を共にしていた親友に先立たれ、身寄りもなく、年金とパチンコ店でのパート収入に頼る不安な日々に絶望しかけていた時、生活苦からコンビニで万引きをして逮捕された70歳の男性が「この世に未練はなかった。刑務所に入りたくてやった。」と供述したことを偶然テレビで観て、終活の場所を食事や健康の心配をしなくて済む刑務所に求めます。犯罪を犯して逮捕されることを夢見て、闇金融業者のお金の強奪や金持ち男性との結婚詐欺を画策して行動を起こすのですが、生来不器用で臆病、かつ優しい性格が災い(!?)し、毎回失敗してしまう一話完結型のストーリーの中に、笑いと涙をちりばめた心温まる内容がとても素晴らしいです。
桐子の頼りない「ムショ活」を応援しようと、厳格な父親と上手くいかないサーフィン大好き・女子高生や刑務所帰りのパート先の上司が、様々な犯罪のアイディアを桐子に伝授する際のやりとりの面白さ。ストーリー終盤に次回の伏線が張られている脚本の巧みさが、このドラマを盛り上げる大きな要素になっていますが、最も重要なポイントは、気弱で心優しい主人公・桐子を演じる松坂慶子さんの演技力にあると私は感じます。
オンエア前のインタビューで、ご自身と主人公・桐子の年齢的な接点に言及され、「まあ同年代だし、自分の分身のような感じがしているんですよねー。」(引用:[一橋桐子の犯罪日記] 5分でわかる! 10/8 10時スタート!より,NHK)というお話しをされていますが、まさに松坂慶子さんの「はまり役」で新境地を開いた作品です。
脇を固める草刈正雄さんや宇崎竜童さん、木村多江さんらの好演も光っていますので、まだご覧になったことのない方は、ぜひご覧ください!
結び
♪♪今月のヒークンお薦め・癒しの一枚(^^♪
「ファイヤー・アンド・ウォーター」フリー
今月は、いまハマっている1970年に発表されたブリティッシュ・ブルース・ロックの名盤を紹介します。細野晴臣さんが「何度聴き返しても飽きない。ロックの抑制の美学を感じる。」と星野源さんのオールナイトニッポンで語っていた、「オールライト・ナウ」を含む全7曲。駄作が一曲もない完成度の高いアルバムです。騒々しいバンド・サウンドとは一線を画した、抑えの効いたポール・コゾフのギター・リフとポール・ロジャースの魂のボーカルを支える、アンディ・フレイザーの堅実なベースが際立つタイトル曲「ファイヤー・アンド・ウォーター」がお薦めです。1977年に発表されたジューダス・プリースト初期の名盤「背信の門」に通じる、瞑想的で聞き飽きない楽曲が揃っています。